コメント:(memo) ●※初回生産限定デジパック仕様、歌詞カード付属※ 収録曲 1. DO OR DIE WITH NO REHEARSAL 2. GREED EGO 3. A.S.A.P. 4. KILLMATIC 5. REAL DEAL 6. EVERYWHERE 7. SIGNATURE 8. 'CAUSE I'M BLACK 9. UNCHAIN 10. BANDIERA 11. COME TRUE 12. KEEP WHAT YOU GOT 13. SEE YOU THERE 14. GOOD VIBES ONLY 15. DRAGGIN' MY LIP 16. STRONG ENOUGH -------------------------------------------------------------------------------- 先の5月に発売、大きな反響を呼んだYOU THE ROCK★ × O.N.Oのアルバムに続くTBHRからのビッグサプライズ第2弾。 2019年に30曲入りの2枚組アルバムを発表した時点で、THA BLUE HERBとしての制作は大きな到達点を迎えました。その後も「ING / それから」、「2020」とリリースは続けてきましたが、高みの極みまで辿り着いたという想いはILL-BOSSTINOにもO.N.Oにも残りました。世はコロナ禍、ライブも思うように出来ない中、しかしながら両者のインスピレーションは止まる事はなかった。新しい道に踏み出す時が来た。前述のYOU THE ROCK★ × O.N.Oのアルバムプロジェクトはそうした経緯から始まったとも言えます。ILL-BOSSTINOもその制作の全般に関わってはいましたが、自身の創作は同時に進めていました。 O.N.OにとってYOU THE ROCK★がそうであったように、ILL-BOSSTINOにとってもO.N.O以来初めてとなる、ラップアルバムで完全タッグを組む相手がいたのです。 dj honda。'90年代初頭からアメリカに渡り、ヒップホップ黎明期のど真ん中に日本人ただ1人で身を置き、その全てを見て、全てを聞き、全てと対峙し、不動のキャリアを積み重ねてきた。共演や共作した事実や楽曲そのものがヒップホップの歴史と直接リンクする、まさに生きる伝説。2009年、日本に活動の場を移し、出身地札幌に居を戻し、その間も数々の日本人ラッパーと精力的に制作を続けてきた。 ILL-BOSSTINOにとって、dj hondaとは、自身がラッパーになる前から、言わば逆輸入の形で名を知る存在であった。dj hondaが札幌に凱旋した際もダンスフロアから幾度もその姿を見上げていた。日本に戻ってる事は知ってはいたが、依然として遠い存在だったその印象を大きく変えたのは2015年に発表されたdj hondaとb.i.g. joeとの共作「UNFINISHED CONNECTION」である。このアルバムに収められたビート群に完全にノックアウトされたILL-BOSSTINO、何よりb.i.g. joeという自身の盟友との共演が、どこか違う世界にいるかのように思っていたdj hondaを、実在する現役バリバリのビートメイカーであると再認識させたのである。同じ札幌に住んでいる事もあり、徐々に顔を合わせる機会も増え、dj hondaのスタジオにILL-BOSSTINOが足を踏み入れるのは今となっては必然だったとも言えよう。 制作は昨年秋から。サンプリング、アレンジ、スクラッチ、ミックス、ビートに関わる全ての作業を爆音と共に目の前で黙々とこなすdj honda。次々語られる当時のエピソード、揺るぎない確信を支える経験、壁に並ぶアナログのアーカイブ、佇むSP-1200。それは情報が入ってこない'90年代から長年、札幌で自己解釈と独力のみで道を切り開いてきたILL-BOSSTINOにとって、ヒップホップの正解の答え合せを繰り返すような日々だった。 フィーチャリングは無し。1対1でじっくり創り上げた16曲。ビートはどこまでもドラマティックで華やか、それでいてラフでタフ。激情昂ぶるリリシズムとの絶好の相性。無限の引き出し、急ぎ足、ヒップホップ王道、2人旅。「KINGS CROSS」。ここが終着駅。